岡崎京子と小沢健二の関係
さて岡崎京子先生と、
小沢健二さんの関係についてですが、
確かなところでは、
1991年に雑誌での対談で、
既に知り合っておられます。
そして・・・
とにかく、とにかく!
岡崎京子先生は小沢健二さん、
オザケン大好き!な方なのです。
![](https://www.manga-ka.com/wp-content/uploads/2017/04/Screenshot_20170410-123652-e1491855390789-300x245.png)
フリッパーズギターの頃から雑誌はもちろん、
スチャダラパーのPVでも共演されていましたし、
解散後のソロ初ライブでは受付をされたのだとか?
貴重なフリッパーズギター時代の小澤健二さんと、
岡崎京子先生。
岡崎京子先生曰く、
小沢健二さんは「男小悪魔みたいなヒト」で、
「自分が漫画の中で描く男の子にも、
全体的な線は似ていると思ったりする」
とのこと。
また作品の中には、
小沢健二さんの曲や言葉が数多く引用されています。
デビューとブレイクもほぼ同時期ですし、
知的でポップでオシャレな一方、
それだけでは済まされない心の内側に迫ってくる作風も、
岡崎京子先生と小沢健二さんの共通点。
お二人が特別な友人となられたのは、
必然なのではないかと感じます。
岡崎先生が事故に遭われた当日、
小沢健二さんは吉本ばななさんと共に病院に駆けつけました。
先生はそのとき集中治療室で、
『親族以外面会謝絶』状態でしたが、
小沢健二さんは、
「親族です!」と言い、
お見舞いを強行したそうです。
そこまでした理由を、
一緒に駆けつけた吉本ばななさんにこう告げたとされています。
「僕は彼女の王子様だから」
事故から半年が過ぎ、
岡崎京子先生の意識がようやく回復し始めました。
まだ体の自由が利かず、
声を発する段階にも満たなかったその頃、
先生がニッコリと微笑むことがあったそうです。
それは、
小沢健二さんの新譜を聴いたときだったそうです。
時は流れ・・・2004年。
発行された物語集、
【ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね】の著者略歴には、
『現在療養中。とはいえ、小沢健二の新譜を心待ちにし(以下略)』
とあります。
岡崎京子先生にとって小沢健二さんは、
キラキラと希望の光を放つ、
本当の王子様なのだと思います。
そんな王子様との再会のときが2010年に訪れました。
小沢健二ツアー『ひふみよ』の東京初日。
先生はご家族とともにライブに参加されたのです。
ベレー帽にボーダーシャツという正装の岡崎京子先生は、
黄色い花束を持って会場入りし、
客席の右手前方にてリクライニングの車椅子に乗った状態で、
小沢さんの歌を聴いていたとのこと。
そのライブのアンコールラストで、
小沢健二さんは客席右手をじっと見て、
突然こう言いながら泣いたそうです。
「最後まで言うつもりはなかったし、
言うと泣いちゃうから言わなかったけど、
言いたくなったから言います。
岡崎京子さんが来ています!」
その瞬間を共にしたファンの方々はとても驚いたようです。
それは発言自体にもですが、
小沢健二さんはそれまで泣き顔を見せたことのない、
アーティストだったから・・・
会場には、
言葉では表せない、
温かく感動的な空気が流れたそうです。
そして2015年。
世田谷での【岡崎京子展:戦場のガールズ・ライフ】
最終日2日前に更なるサプライズが訪れました。
会場の閉館時間に突如アナウンスが流れ、
小沢健二さんのシークレットライブが開催されたのです!
それは先生のご家族と関係者のみならず、
その場に居合わせた一般来場者の皆さんにも開かれたライブでした。
小沢健二さんが何故このライブを開催したのか?
それはひとえに、
『岡崎京子展というこの会場でのこのライブを動画にして、
岡崎先生に渡す』
その為でした。
岡崎京子先生と小沢健二さん。
おふたりの長年にわたる強いつながりを知れば知るほどに、
4月23日の共演への期待が膨らみます。
(出典:http://besunet.com/entamenews/ozawakenji-4408/3)
コチラは情報番組出演時の小沢健二さん。
小沢健二さんもずっと活動の状況が伝わっていませんでしたが、
2017年になってからは新曲リリースを始め、
メディアへの露出も増えてます。
※コチラは【Love music】の演奏シーン。
岡崎京子先生の作品と小沢健二さんの歌が、
実にマッチしていて本当にステキでした。
岡崎京子おススメの作品
ファッション誌から飛び出てきたような、
可愛くオシャレな絵柄。
だけど多くの作品で、
その絵柄とは裏腹な・・・
薄暗かったり、
生臭かったり、
神経を削られるような痛みだったりが、
違和感なくスッとストーリーに埋め込まれている。
岡崎作品は、
とっつきにくく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実は筆者もそうでした(^^;
ですが読んでみると、
普遍的な人の気持ち・・・
特に10~20代の女の子の気持ちが見事に表現されていて、
良くも悪くも、
「この気持ちわかる!」
と頷かずにはいられないシーンがいくつもありました。
記事のタイトルに3つとありますが・・・
特に興味深い作品が4つあったので(笑)
4作品について、
ご紹介します!
主人公と同時期に地味な青春を送っていた筆者なので、
この作品をリアルタイムで読んでもピンとこなかったかもしれません。
ですが、あれからウン十年(笑)
当時のものごとを俯瞰で見られるようになった今は、
『わかる!!!』となる心理描写の多いこと・・・
作品の途中で、
1ヶ所だけ筆者的にどうしても受け入れられない描写がありますが、
若さゆえの未熟さ、
残酷さを表すにはこれしかないと、
岡崎京子先生は考えられたのかもしれませんね。
そしてラストまで読んで、
超個人的な感想ですが、
古谷実先生の複数の作品に通じるものを感じました。
この作品、
またキット読んじゃうんだろうなぁ
 
【ヘルタースケルター】
ヘルター・スケルター [ 岡崎京子 ]
2012年に実写化された作品ですので、
御存じの方も多いのでは?
女性の欲、
傲慢さ、
弱さ。
そして強さ。
ただただ、圧倒されます。
タイトル名は手塚治虫作品の初期から末期まで登場していた、
主要キャラクターのひとり『ロック』から付けられています。
手塚先生を敬愛し作品を読み込んでいらっしゃるからこそのチョイスかなと。
ロックは手塚キャラの中でも非常に人間臭く、
ときに毒気の強い、
魅力的なキャラクターです。
他にもアトムやピノコ等の名前の登場人物が居て、
このキャラがこの名前なのかっ!と楽しかったです。
上記2作品とは異なりライトな読み心地で、
そういう意味でも楽しい作品です。
【リバーズ・エッジ】
リバーズ・エッジオリジナル復刻版 [ 岡崎京子 ]
2018年に、
二階堂ふみさんと吉沢亮さんをメインキャストとして、
実写化が決定した、
【リバーズ・エッジ】
メガホンをとる行定勲監督曰く、
ずっと漫画の実写化に抵抗してきたが、
岡崎京子さんの名作はあまりにも魅力的で、
ついに手を染めてしまった
そう言わしめたこの作品は、
思春期の薄暗い感情、
未熟ゆえの残酷さ、
性に対する強い感情など、
10代後半特有の普遍的な感情が鮮烈に描かれています。
作品発表から20年以上経ちますが、
これから先も、
この作品は色褪せないだろうなと筆者は感じます。
※追記※
2018年に実写映画が公開される、
【リバーズ・エッジ】ですが、
この映画の主題歌に、
小沢健二さんの歌が起用されることになりましたね^^
タイトルは「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」。
この映画のために新たに曲を描き下ろしたそうですが、
きっとステキな歌に仕上がったことだと思います。
映画の公開と共に、
主題歌も楽しみです(*^^*)
*:・’゜☆’ .:*:・’゜☆’ .:*:・’゜☆’ .:*:・☆
岡崎作品のキャラクターたちと同時期に思春期を過ごした、
筆者世代。
その目に映る世界が『あの頃』と違うように、
岡崎京子先生の目にもきっと、
『あの頃』と違う世界が映っていることでしょう。
先生は今の世界をどう見て、
そして先生の中ではどのような作品に仕上がっているのだろう・・・
いつかそれを見ることが出来ればと、
願うばかりです。